怖い
視線が突き刺さる
上から下まで
ジロジロと
マロから視線をはずすことなく
右に左にジロジロと見てくる
鼻先で薄ら笑を浮かべながら見てくる
その人は1年ほど前
体重90㎏以上ありそうな体型の男性だった
今年になって
体重60kgジャストぐらいの体型
おそらく30kgほど減量したのかな?
ずいぶんとスリムになられた
その痩せた人の
物言わぬ視線が語りかけてくる
[お前何やっとんねん!だらしないな!]
[そんなに太って!なぜ痩せないんだ!?]
[お前は女だろ最低だな]
目線がそう語っている
すごく突き刺さる視線に怯えた
昨年90kgほどあったこの男性は
ダイエット前は優しかった
去年ならマロに対して
「どうなさったのですか?」
「お困りでしたらお手伝いしましょうか?」と
笑顔でマロに話かけてくれていた
今年になって
体重を30kgぐらい減らしたその男性は
「お前何やっとんねん」
「そんなことぐらい気付けよ」
「そこに有るやろ!動け!」に変わった
正直なところ
命令口調で話しかけられるほどの関係ではない
例えるなら
取引先相手や数十件隣のご近所さんのような間柄
そんな関係にもかかわらず
激しい口調に後ずさりした
その男性は
自分が今ダイエットをしているから
ダイエットをしない人を見ると
苛立ってしまうのだろうと思った
その男性
「そこの下や!そこの下にあるやろ!それ押せよ!」と
命令してくる…
元々自分が太っていたから
太っている体型では辛い
苦手な場所や苦手な行動を
よく知っていて
その苦手な姿勢を仕草を
わざとやらせようとしてくる
自分がダイエットをしているからといって
ダイエットしてない人を
見下してくるのはやめてほしいと心底思った
・・・でも
マロ自身の行動を思い返してみると
マロも同じように大幅減量である程度痩せられたとき
ダイエットしてない人に対して
「痩せると良いことがいっぱいあるよ」
「一緒に痩せようよ」
「痩せたら太っていたときに出来なかった事が
できるようになって楽しいよガンバロ!」
親切の押し売りをしていた
当時は
悪気もなく発していた言葉だったけれど
この時点で
相手より自分が上だと言っているような物だったと
痩せたくても痩せられない人にとっては
辛い言葉だったのではないかと
自分が今その立場に立ってみて分かる
表現方法に差はあれど
この男性と同じようなことをしていたと反省した
ダイエットは本人の気持ちが大事で
周りがどう言おうと
自分の体をコントロールするのはその人自身
蔑まれようと
馬鹿にされようと
体調が崩れようと
本人の意思が
本気じゃないとどうにもならない
痩せた男性に
なぜそんな態度を取られるのか
最後まで分からなかった
1歩譲ってマロに不手際があったのであれば
納得もできるかもしれないけれど
その痩せた男性は
第三者が近づいてくると
まるで何もなかったように
マロに対しての指図は止めて
笑顔でマロに親しく話しかけながら
自分で作業を始めた
…ご主人さんダイエット中でカルシウム不足ちゃいますか?
イライラしているのなら牛乳ですよ牛乳♪
なんて言う余裕はなく
奥歯を強くかみしめた